後継者がいない会社や個人事業主の現状と経営者が取れる対策

バトンの受け渡し

もし後継者(跡継ぎ)がいない状態のまま対策をとらずに放置していたら、会社や個人事業はどうなるのでしょうか。

言うまでも無く、廃業や倒産などの最悪な状況に追い込まれる可能性が高くなります。従業員や取引先に多大な迷惑をかけることになります。そんな結果に至らないためにも経営者は早めに対策を打つ必要があります。

本記事では、後継者・跡継ぎがいない会社や個人事業主が取れる対策について、そのメリットデメリットも含めて詳しく解説します。

「後継者がいない」日本の現状

2020年11月30日に、帝国データバンクが分析可能な企業約26万社を対象に「後継者不在率」動向調査(2020年)というのを行っています。

まずはこのデータをもとに、後継者がいない状態が日本全国でどれくらい生じているのか、大きな視点で見ていきましょう。実態を知ることで、自社の現状について正しく比較することができます。

後継者不足の現状

調査によると、全国企業で後継者が不在と答えた割合は、65.1%、じつに3分の2の会社が後継者がいないと答えています。後継者不在問題は日本社会全体に影響を与えうる大きな問題です。

一方で、後継者不在の企業はここ3年間連続して減っています。これは、後継者不足の現状を踏まえて国や地方自治体、金融機関等が対策を打ち、M&Aなどが一定の効果を上げているからでしょう。

現状としては、いまだに後継者不在の会社が多いものの、それに対処する必要性は認識されるようになっているようです。

身内に事業を引き継ぐ割合

事業承継をするにあたって、経営者の子息・配偶者等に引き継ぐ同族承継の割合は、全体の34.2%となっています。

この比率は2018年からは8.5%も低下しており、同族承継の割合は急減しています。それに対して、社内の役員や従業員に引き継ぐ内部昇格(34.1%)、さらに社外の第三者等に引き継いでもらう外部招請(8.3%)がいずれも増加しており、このデータから内部から外部へと引き継ぎの形が変化しているのがわかります。

何が原因で後継者がいない、不足しているのか?

では、一体何が原因でこのように後継者がいない、跡継ぎ不足の状態が生まれているのでしょうか。

後継者不足の主な背景や原因は以下の3つだと考えてられています。

少子高齢化の進展・価値観の多様化

まず、少子高齢化や価値観の多様化など、社会の変化が原因のひとつでしょう。

内閣府が出した「 2019年版 高齢社会白書」では、65歳以上の高齢者が全国民に占める割合は28.1%です。一方、厚生労働省が行った「2019年度 人口動態統計」で、出生数は86万5千人(前年度比5万3千人減少)、1899年調査開始以来、過去最少を更新しています。

事業承継の観点からは、経営者の高齢化と跡継ぎ候補の減少が同時に進んでいるとも言えそうです。

また、価値観も多様化しています。かつては人生の早い内から家業を継ぐという目的を持って、学生生活をおくる人は珍しくありませんでした。近年では、両親の意向や家の都合よりも、子どもの適正や希望を優先する傾向が強まっているように思います。

働き方の選択肢は年々と多様になりつつあり、以前は一般的であった親族内承継が当然という価値観は失われつつあるようです。

後継者の経営に対する不安が大きい

親族あるいは社内の役員・従業員など後継者候補はいますが、誰であれ、どの会社であれ、経営に対する不安を抱えているものです。

引継ぐ会社の規模が小さかったり、景気の変動に弱かったり、脆弱ならばなおさらです。また、2021年現在は新型コロナウィルスが経済に打撃を与えている状況下にあります。この状況で事業を引き継ぎ、成長させていくことは容易ではないでしょう。

会社に多くの不安要素がある限り、経営者のなり手はさらに少なくなります。

経営者の事業承継に対する準備が不足している

経営者の事業承継に対する準備が不足していることも、後継者がいない原因のひとつと考えられます。

本来、事業承継には十分な準備期間と承継計画が必要です。しかし、日々の仕事に追われて、経営者がなかなか対応しきれていないのが現状です。
さらに経営者が「まだまだ自分はやれる」と考えて、事業承継に対して早めに対策を取らないケースも散見されます。

後継者にするには、一定期間の教育が必要です。会社を引き継ぐ際には、株式等の買取資金や相続税(贈与税)資金、会社に債務があった時の経営者の個人保証の引き継ぎ等も必要です。これらの高いハードルを乗り越えることができず、事業承継がうまく進まないことが起こりうるのです。

後継者がいない経営者が取れる選択肢とは?

現状を踏まえて、後継者がいない経営者が取れる選択肢について解説します。

その選択をすることによるメリットデメリットを総合的に勘案して、最終的に自社に適した方法を選ぶ必要があります。

親族外承継で後継者を親族外の人材に求める

親族内に適当な後継者が見つけられない場合、親族外で後継者を探す方法があります。

具体的には、社内で経営に深く関与している役員や、業務に長く携わり熟練度の高い従業員を後継者に指名するというやり方です。
また同業他社であまり活躍の機会を与えられていない人材を自社に次期後継者として引き抜くというケースもあります。

いずれにせよ、自社の業務に精通している人材を登用することで、教育コストの低い後継者を確保することができます。

ただ、経営内容が悪い会社では、多くの人が後継者になりたがらないので、日頃から会社を黒字体質にしておく、事前に個人保証の問題などを処理しておく、などの対策も必要でしょう。

M&Aで第三者に会社を引き継いでもらう

それでも後継者が見つからない場合、M&A(企業の合併及び買収)で他社もしくは資本家等の第三者に会社を引き受けてもらう方法があります。
昔と比べてM&Aによる会社売却はかなり一般化しており、法律や税制度等から国の後押しもあってM&Aはかなり利用しやすくなっています。
そのため、後継者が見つからない場合にはこの方法を検討しない手はないでしょう。

ポイントは、いかに経営者が納得できる売却相手を見つけられるかという点にあります。まずは会社が属する業界のM&A取引に精通した仲介業者を探すことに注力するとよいでしょう。

まとめ

何も対策せず時間の流れるままに問題を放置していては、やがて時間切れで廃業や意向に沿わないM&Aなどネガティブな選択を取らざるを得なくなります。それを避けるためにも、後継者がいないときは、自身が元気なうちに早めの事業承継対策を取っておくことが大切です。

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